当院では、低侵襲緑内障手術(MIGS)の1つである、iStent®(アイステント)を厚生労働省の認可を得て導入しておりました。
この度、第2世代のiStent®である「iStent inject®W」が我が国でも承認され、当院でも導入いたしました。これまでのiStent®では挿入できるステントが1個でしたが、iStent inject®Wでは、1つのインサーターで2個のステントを挿入できるようになり、これまでの1個留置よりも眼圧下降及び点眼薬減少効果が期待できるようになりました。
iStent inject®W は日本で承認を受けたMIGSの世界最小(全長0.36mm)インプラントです。軽度から中等度の開放隅角緑内障の人が白内障手術を受ける際に、チタン製のステント(筒)をシュレム管に挿入します。線維柱帯網をバイパスしシュレム管に房水を流すことで房水の排出を増加させ、眼内の自然な房水排出を促進します。術後に眼圧が少し下がることが多く、点眼薬が減ったり不要になるケースがあると報告されています。
iStent inject®W の一番の利点は、結膜などに全く侵襲がなく、将来にマイナスとなる後遺症がほとんどないことです。 白内障手術と同時に行うことができ、手術に要する時間が短く、非常にシンプルな手術操作が高く評価されています。厚生労働省の認可を受けて実施している施設は日本ではまだ少ないですが、今後更なる普及が期待される治療法です。
緑内障治療を行っている患者様で、白内障手術をお考えの方はご相談下さい。
費用は健康保険適応で1、2割負担:片眼18,000円、3割負担:片眼約97,000円になります。